2016年7月13日水曜日

半生を考える

6日に誕生日を迎えました。

マラソンで言えば折り返しポイントを過ぎて、後半戦をうまく戦えるか、想い通りのゴールが切れるかどうかを決める正念場というところ。

漠然と「畳の上では死ねない!」と思い描いたこれまでの半生。
いい機会なので思い起こしてみます。

自分>他人

小さい頃から感受性と正義感だけは強く、一方でエリートは大の苦手だった。
偉い人が作る一方的なルールは無性に嫌い=従いたくない。
いわゆる「純粋でへそ曲がり?」なところがありました。

自分らしさやオリジナリティを強く求めて、色んな衝突も。。
親や友達、先生や先輩。。皆さんに迷惑をかけました。
この場をお借りしてお詫びします。

でもそれをエネルギーにしていたといいますか。。そんな20代だったように思います。

佐野元春の「SOMEDAY」。
特に〜手おくれと言われても 口笛で答えていたあの頃〜というフレーズが好きで、
いつも口ずさんでいたなぁ。

反骨まではいかないけど、正しい事なのに世間体を気にしてできない!的な
風潮やベルトコンベヤー型の人生は送りたくないと。

心はあの頃のまま、気がつけば体は55歳に。

自分≦他人

自分の理想に生きてきたつもりが、30代に稲盛さんの利他心に心動かされ、
自分の中にも「人の為に役立つエネルギー」があることに気付きはじめました。

ある事件が人生の転機を作りました。
前職で出張中、アマゾンの財産を盗んだ日本人!と大騒ぎになったのです。
アマゾンのど真ん中でまさに孤立無援状態。

そんな私を救ってくれたのがトメアス日系コミュニティーの人々でした。
何の利益も無いばかりか、私をかばう事は自分たちが糾弾されるリスクが大きいなかで、
ブラジル社会を敵に回して戦ってくれました。

日本人として入植し、80年近い苦闘の末にやっと手に入れた信用を失いかねないにも拘らず。

この異次元体験で今までに無い大きなエネルギーを感じました。
苦労した人こそ優しくなれることも彼らから学びました。

「SOMEDAY」と思い描いた社会に、地球の裏側で出会うとは。。運命かもしれません。

そんな彼らが創り上げたアグロフォレストリーを発展させる会社を創ろう!
・・・と思い立ったが吉日。40歳になっていました。

自分<社会

あれから10年。
がむしゃらに働き、多くの支援者に支えられ、まずはアマゾンフルーツ、アサイーが有名になり、
上場も出来ました。

少しはトメアス社会に恩返しが出来たかと思うのもつかの間、右肩上がりの業績が一転、
市場の減速と原価の高騰で苦戦を強いられています。
しかしこれは成長過程で必ず通る踊り場なので乗り越えるしかないのです。

アグロフォレストリーの中でもアマゾンフルーツのマーケティングは全て市場開拓型のため、
直営店やブランドマーケティングを駆使して自ら市場を創出していきます。
クプアスやピタヤなど、他のフルーツも徐々に手応えを感じるように成長してきました。

一方でカカオが大手チョコレート会社に採用されました。
森を作るアグロフォレストリーの付加価値が一般商品で認められたことは大きな成果です。
今後この分野を大きく発展させたいと思います。

自分から離れ、他人、そして社会に働きかけていく事は、
それだけ厳しい競争や批判にもさらされなければならないという事を実感しています。
ましてや社会の公器としての責任があります。

ここからの10年は理想と現実のギャップを埋める大切な時間。
世界中にアグロフォレストリー商品が広がる日まで、後半戦の挑戦です。