2015年8月11日火曜日

トメアスからのうれしい便り

先日、CAMTA(トメアス総合農業協同組合)の大御所であり長らくトメアス文化協会の理事を務められていた新井範明さんからお手紙を頂きました。

新井さんはこの度、日本ブラジル修好120周年に当たってベレンで開催された記念式典にて、パラー州知事や日本大使が参列する中、長年に渡りトメアスーの発展を支えた貢献に対して旭日双光章を受章されました。


生産者としていつもお世話になっている新井さんにお祝いを贈ったところ、その御礼としてお手紙と受章時の写真を頂戴したのです。

新井さんはCAMTAの組合員としてアグロフォレストリーの発展に寄与されました。
また文化協会の理事を24、25年近くも務められ、トメアスの子供達への日本文化や日本語の教育に尽力されたほか、環境教育にも熱心に取り組んでこられました。

以前私も訪問させていただいたことがありましたが、新井さんは若い世代に自然保護や生物多様性の大切さを伝えるためにご自身の土地の一部を原始林のまま保全されていて、美しい小川や巨木、アマゾンの在来種を見ることができ感動したことを覚えています。
アマゾンでも開発されてしまったエリアではなかなか見ることができない希少な光景です。


手紙には受章時の感謝のお気持ちが綴られていましたが、1962年に渡伯されてから、胡椒の病害に次ぐ病害に苦しめられ、農協の倒産を寸前で食い止めて今日の繁栄の基礎を作った戦いの歴史も記されていました。

慣れない土地でこれほど苦労したにも拘らず、ブラジルのパラー州が日本人移住者に与えた農地、国籍、選挙権そして人権という尊大なる受け入れに対して深い感謝の意も述べられています。

これが共存共栄の精神ですね。

トメアスの歴史は胡椒栽培に始まり、森林農業(アグロフォレストリー)の開発、そしてアサイー他の熱帯果実に発展したと記されていました。

最後に印象的な一文と大変嬉しいお言葉をいただいたので紹介させてもらいます。

「これも全て日本の農業文化のおかげです。自然を良く知っている民族だからアマゾンの多様性を見抜き、アマゾンにふさわしい生態系を土台とした生産へと自然に流れて今日に至りました。それを根底から支えて下さったフルッタフルッタへは心より感謝致しております。これからもアマゾンの発展に寄与されますよう宜しくお願い申し上げます。」


日本人の「感性」が多様性の大切さを見抜き、アグロフォレストリーが生まれたのです。

そして我々フルッタフルッタを認めてくださったことを光栄に思います。15年前、突然トメアスの日系社会に転がり込んだ私を受け入れてくれた皆さんの共存共栄の精神に、こちらこそ感謝を申し上げたいと思います。

新井さん、栄えある勲章、本当におめでとうございました。


またトメアスでお会いするのが楽しみです。